■特集6・BOSEヘッドホンレビュー■

えー、このたびは大変ありがたいことに、BOSEさんからヘッドホンのレビュー依頼を承りました。
せっかくなので、BOSEさんを集中コラム的に紹介。
ノイズキャンセリングヘッドホンであるQuietComfort2(クワイアットコンフォート2)の新バージョン(以下QC2)とTriPort(トライポート)になります。 QC2については旧バージョンも同時にお借りしてレビューさせていただきました。
なお、各機のレビュー内容については、一定期間後、コンテンツにしていこうと思います。

●BOSEさんのヘッドホンについて

BOSEさんのヘッドホンは2種類のみ。
ノイズキャンセリングヘッドホンのQC2とTriPortになります。
それぞれ、40000円、18000円といずれも安いモデルではないですが、サポート体制も込みの値段と考えていいかもしれません。

購入場所は、今まではネット/電話での直売およびBOSE直営店、アップルストア、丸井のInTheRoomなどでしか試聴/取り扱いがなかったのですが、直営店系の取り扱いショップの場所はBOSEさんのサイトでも確認できますので、そちらもあわせて見るといいかも。
2005年11月からはヨドバシさんなんかでもTriPort(シルバー色のみ)のほうを取り扱うので、手に入れやすくなりました。なお、ヨドバシさん町田店のほうで確認しましたが、ヨドバシさんにも試聴機がある模様(TriPortのみ)なので、興味ある方はぜひ。
あ、一応念のため。どこの試聴機もそうですが、大切に扱いましょう。(フリーアジャストのゴムバンドはかけたりしないこと!伸びちゃうよ!)
やはり、試聴機は、メーカーさんやお店さんの御厚意によって成り立っているので。
ほら、これが1万円のティーカップだったら、とてもじゃないけど怖くてそんな乱雑に扱えないと思うし。

サービスに関しては、基本的に安心。とても丁寧な会社さんと思います。
たとえば、QC2、TriPortともに、アームのプラスチック部が割れた場合なども、ショップに行けば無料にて直してもらえるとのこと。(友人は無料で直してもらったといってました)
念のため、行く前に電話確認しておくといいと思います。またはBOSEさんに送るなどの対応もあるかと思います。
ちなみに、自分も、レビューを書くにあたって何度かメールにてやり取りをさせていただいたのですが、大変に丁寧かつ熱心なメールをいただきました。

あと、30日間の試用期間があります。(ネット購入の場合のみ。店頭購入の場合はお問い合わせを)
とりあえず一ヶ月使ってみて、どうも肌に合わなかったら返却ができるというシステムです。
別に機材には何の問題もなくても「個人的に合わなかったから」とか言う理由でクーリングオフできます。
試聴ができる場所が無いよ〜とお嘆きの方などは、 エージング期間も含めて使用感をチェックしながら使うのがいい感じでしょう。

なお、あまり知られていませんが、実は分割払いが可能です。(フリーダイヤルもしくはFAXでの申込が必要、店頭購入の場合はお問い合わせを)
オリコカードになりますが、なんと2〜12回払いの金利手数料無料。(金利手数料はBOSEさんが負担とのこと!)
QC2どころかTriPortまでもが12回払いできるので、欲しいけど高いなあとお嘆きの方にはこんな買い方もどうでしょうか。
ちなみに送料も無料。がんばってるなあと思ったのでこんなところも紹介。

また、BOSEさんの製品には非常にしっかりとしたコンセプトがあります。
例えるなら、美味いラーメン屋の頑固オヤジにも似たレベルの徹底的なこだわりがあるともいえます。
この点においては、購入する際にコンセプトを読めるかどうかでずいぶんと評価が変わる可能性があるかもなので、まずは「どういう目的の商品なのか」を理解するといいと思います。
その上で購入を検討したほうが、たぶんBOSEさんのヘッドホンに対して理解が出ると思いますし、より楽しみやすいのではないでしょうか。


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●とりあえず、まずは「ノイズキャンセリング」についての説明。

ええと、QC2のレビューの前にまずは「ノイズキャンセリング」というものについてちょっと説明を。

ノイズキャンセリングヘッドホンという言葉をご存知でしょうか。
その言葉の通り「ノイズ(雑音)」を「キャンセル(打ち消す)」というヘッドホンです。

ご存知とは思いますが、音は、空気の波によって作られます。
ですから、「同じ大きさの音を正確にぶつけてやれば 相殺できる」というのがノイズキャンセリングの基本原理です。
とはいっても、実際には単純なものではなく、さまざまな種類の外の音を正確にモニタリングし、反響やタイムラグを含め正確に計算し、リアルタイムで音をぶつけて相殺しなければいけません。
また、意外と見落としがちなのですが、ヘッドホンの中にまで直接聞こえる外の音というのもありますので、そういったことも踏まえて相殺する、というのは大変な技術となります。
その上で、さらにヘッドホンでは音楽も鳴らすのですから、どう考えても結構大変な技術ということになります。
大変な技術にもかかわらず、使える電源はせいぜい乾電池。そして、あまりにも負担の高い計算を要求しすぎると、今度は発熱の問題が出てきたりとかもあります。

以上のようなことから、ノイズキャンセリングヘッドホンは基本的に一般のヘッドホンに比べて高価であり、低価格になるとどうしてもその効果があまり期待できない(計算精度の問題からノイズ低減の量だけでなく音質をも含む効果として)ものが多くなります。

基本的な特徴として、周囲の環境雑音や騒音が低減する、同価格帯に比べると音質や音場の広さは落ちる、などの特徴があります。
そのため「静かでなおかつ音質がいい」というよりは、基本的には「雑音や騒音が低減した状態で音楽が聴ける」という認識が正しいかと思います。
純粋に「音質優先」なら通常のヘッドホンを買うのがいいかと思います。
ノイズキャンセリングヘッドホンは邪魔な音を低減した状態でのリスニングに重点がありますので、注視すべき点はそこでしょう。
やはり、その辺は「どういった目的でどう使うのか」が非常に重要な部分だと思いますので、どう選ぶか、といったポイントは自分の使う状態と用途や使用目的によるところでしょう。

ただ、遮音とは違った「消音によるノイズ低減効果」については、それ自体が非常に面白い体験にもなりますので、機会があればぜひ一度試されると面白いです。基本的に「周囲の雑音が消える」というのは遮音では、ほぼ得られない感覚ですので。


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●QuietComfort2 Ver.2

発売以来、ノイズキャンセリングヘッドホンとしては最高の評価を受けているヘッドホン、クワイアットコンフォート2。
その魅力はなんといっても、その強力なノイズキャンセリング(雑音を打ち消す)効果と一定の音質の確保に尽きると思います。
それがこのたび、新たにVer.2となりました。期待している方も多いのではないかと思います。

もともとは「航空機内の耳障りな音をカットできるように」ということで開発されたヘッドホンで、もっともその用途で適したようになっています。そのため、まずはそういった用途で使用されるものだと考えておいたほうがいいです。
つまり、QC2は「じっとしている場所(乗り物内)での騒音および環境雑音を低減しながら音楽を楽しむ」ことに最大目標が置かれていると考えられます。そのため、アナウンスなどは聞きやすいように、ということも念頭におかれて作られています。
その辺も踏まえてレビューしたいと思います。

なお、基本的に 、このレビューはポータブル機器用の「Hi」モードであることを付記しておきます。
ネットでもレビューがあると思いますが、特に明記の無い場合、ほとんどはHiでのレビューだと思って間違いないです。
後述しますが、Loモードではまた違った形になります。
Hiでは音量がとりやすい代わりに、機能は一部低減。ポータブル用。
Loでは音量がとりにくいけれども、音質や機能重視。家庭用。
と認識しておくと楽です。

まずは装着感や使用感から。
装着感は、軽くやさしく良好であると言っていいと思います。基本的に耳覆い型なので、変に耳たぶに当たることも少ないでしょう。
ただ、顔の横幅が広い人の場合、多少側圧がきついといった弊害が起こるような構造のような気はします。
キャリングケースはあるのですが、これが意外に、というかむしろかなりかさばります。はっきり言って、誰でもが持ち歩けるケースではないです。そのため、慣れてくると結構そのままでカバンに突っ込むことになると思うのですが、こうなるとプラ部分はいつ壊れてもおかしくないと思います。
このタイプは大体ひねりなどに弱い構造なので、この部分の耐久性にはあまり期待しないほうがいいでしょう。
ただ、壊れても持ち込めば無償で直してもらえるみたいなので、その辺はありがたいし安心ですが。
でもとりあえず、キャリング用に袋を何か用意するといいかもしれません。ハウジングを平ら向きにすると結構薄くなりますので、隙間にさっくり入るところはあると思いますし。

それと、これは好き好きな部分もあると思うのですが、QC2は首からかけた場合にイヤパッド側が表を向きます。
もしかすると剛性や装着感の問題で難しいのかもしれませんが、イヤパッド側が下を向いてくれるとうれしい人もいるかと思います。ちょっと残念。

コードですが、胸ポケットなどに入れる再生機器につなげるには少々長め。普通の長さではあるのですが。まあ、カバンから回したほうが相応の長さになるとはいえます。
延長コードがありますので、家庭用でも困ることは無いと思います。家庭用モードのLoでは世間で言われているよりいい音で聞けますので、家庭用での使用を検討されている人にもなかなかかも。

また、あまり気が付かれない現象として、携帯やPHSなどの着信時にノイズが入ることがあります。
距離や電波状況にもよるとは思うので一概にどうとは言えないのですが、ノイズキャンセリング系のヘッドホンにはどれもそういうことがあるようです。
一応、覚えておくと、変な故障とか思わないのでいいかも。

次にノイズキャンセリング。
ノイズキャンセリング効果は、もともと評価の高かった旧版QC2より、さらに良くなっています。
つけた瞬間に、周りの音がごそっとなくなります。 基本的に、以前のようなかすかなホワイトノイズも無く、非常に良好です。
ノイズキャンセリングの性質としては、まず、環境雑音(普段、まったく意識しないような環境による雑音)は無くなると思っていいです。
そこに音楽が鳴ると、かなり周りの音が消える感じはあります。
外界から切り離される感じの「独特の孤独感」が出る部分があるので、物事に集中するにいいかもしれません。

打撃、衝撃音(ヒールの音や何か金属がぶつかる音)や振動音(車の音など)は若干通す傾向があるようです。それにしても耳障りな感じではなくなり、電車の音でもうるさいようには感じません。
でも、PCのファン(これは結構うるさい部類の音になります)もキータイプ音もかなり消えるので、これはうれしい感じ。
また、前方より後方のほうがわずかに効果が薄いように思いますが、むしろ、これは危険度がわずかでも少なくなっているといえるでしょう。(危険な音を察知しやすいという意味で)

特徴的なのは声の通し具合。
立っている人の少ない静かな電車内の場合、アナウンスは割と駅名までしっかり聞くことができるようです。
ただし、たとえば電車内にうるさい学生がいた場合に、その声は聞こえると思っていいです。なまじ騒音が消えて静かになってしまうことが仇となって、かえって目立つことがあります。ここは旧版よりも目だって聞こえる部分だと思います。
ですが、逆にオープンカフェなどの騒がしい喫茶店や、駅のホームなどでの使用では、隣に座っている会話の声でさえ聞くこともできません。ヘッドホンをしたままの会話は不可能といっていいでしょう。
いろいろと場所を変えて試した感じでは「環境雑音の多い場所での会話」は消えますが、すいている電車などの「環境雑音は少ないが騒音が多い状態」では比較的人の声が通りやすいようです。
ちなみに、後者の場合ですが、ジャズやクラシックなどの静かな音楽のほうが声は聞こえるので、そこは注意がいるかもです。前者の場合にはあまり気になりません。

ここで注意点として。
歩行時、特に街中での使用は絶対に避けてください。
前述の通り、騒がしい場所、つまり街中であればあるほど周りの音がまるでわかりません。耳栓して歩くようなものですので、かなり危険かと思います。
状況によっては、車の接近にすら気付くのが遅れる場合もあります。交通安全の面から見て、かなりヤバいかと思います。

また、ほんのわずかにですが、耳に「水の中にいるような感じのかすかな圧迫感」があります。(気付かない人もいます)
使い始めが一番厳しいと思います。これは数ヶ月使っているうちに、わからない人にはまったくわからない状態まで緩和されるのですが、おそらくまったく残らないということはありません。耳が敏感な人など、この圧迫感が合わない人は、長時間の使用では気分を害することもありますので注意しましょう。
ところでこの圧迫感ですが、もしかすると航空機内では気圧変化が少なく耳には有利な可能性もありますので、一概に邪魔だと考えるのも難しいかも。

音は基本的にバランスいいです。
特に中高域〜高域にかけては旧版より性能が上がっていて、また全体的にやわらかく、かつ情報量が上がっています。 
低域の変な強調もなく誰にでも薦められそうな非常に聞きやすいバランスで、基本的に何でも聞けるオールジャンル向けといっていいでしょう。
正確には、特にこれ向きというものがあるわけではないため、オールジャンルというよりは苦手が少ないというほうがいいのかもしれませんが、ポータブル用途では音質に問題ないといっていいと思います。
ただ、ちょっと難点を挙げるとすれば、エレキギターの収まりがよすぎるため、ロックには迫力不足でいまいち不向き(他ジャンルに比べれば)ではあると思う人も出るかも。
あと、ノイズキャンセリング特有の現象として、音場が狭いです。肩幅より狭く感じるのでちょっと窮屈に思う人がいるかも。
音場が狭い時点で、どうしてもクラシックには不向きといわざるを得ない部分はあるのですが、ピッコロ独奏とかも潰れずに鳴ってくれるので、その辺に妥協できる人なら特に目くじらを立てるレベルではないと思う気はするかなあ。
この辺、旧版では結構難しい部分だったと思うので、クラシック系が聞きやすくなった点は非常に大きいかも。

とりあえず、外での使用(Hiでの使用)はこんな感じだと思います。
なので、ここからは再生機器や細かい違いの部分を。

旧版より感度がアップし音量が取れるようになったにもかかわらず、 実は旧版とさして変わらない音量で聞けます。
確実に音は大きくなっているのですが、バランス的に良くなり変に強い音を出さなくなったのと、情報量が上がって柔らかくなったのが主な原因かと思われます。
逆に、低音量でも小音があまり潰れないため、それなりに余裕を持って聞くことができる感じもあります。
音の情報量が上がったことで、低音量でも高音量でも聞きやすくなったのはありがたいといえるでしょう。
チェックしてみましたが、音量がとりにくいメモリー系のプレーヤーでも必要音量は取れると思います。
ただし、こういうとメモリープレーヤーのメーカーさんに失礼ではあるんですが「メモリープレーヤーはそれ自体もともとの音質が余りよくない」ので、音質を気にする際には気をつけてくだい。
個人的には、QC2はメモリープレーヤーで困るような音を出すヘッドホンではないと思いますので、もし音質に不満に思う場合は再生機器側やエンコードのビットレートを疑ったほうがいいかもしれません。(HDDプレーヤーもメモリープレーヤーよりは音質いいのですが、同様の傾向があります)

また、QC2を充電池で使用できたらと考えている方もいるかと思います。
その場合、音の入り込みなどが若干甘くなり、ノイズ低減に関しても、これも若干ですが能力が落ちます。まあ、その辺は充電池ですので我慢してください、ほんとにわずかなので困るようなレベルでは落ちないと思います。
どうしてもそれで不満なら電池買いましょう、1日4時間使って1週間ぐらい持ちます。1ヶ月に4本ならそんな出費にはならないと思いますし。

あと、これは以前から各所のレビューで良し悪しを言われている部分ですが、電源を入れないとヘッドホンとして使えません。
電源を入れない限り音は鳴りませんので、そこは注意。電池がやばそうなとき(LED点滅時)は予備を用意しましょう。
実はこれ、BOSEさんのこだわりで「ノイズキャンセリングヘッドホンなんだからノイズキャンセリングヘッドホンとして最高の状態であるべき、それ以外はいらぬ!」といった熱いこだわり部分ですので、むしろ、それがいやなら買わないぐらいの付き合いでいいかとも思います。
この辺、うちのラーメン(そばでもいい)は大盛りやってないんですよ、という職人的こだわりに通じるものがあるかと思いますので、ここはもしかしたら使い勝手とは別にこだわりを評価すべきところなのかもしれません。

最後に、死ぬほど大事な部分として。
意外に使っている人が少ないようですが、出力(音量)の取れる家庭用機器ではスイッチをLoモードにすること。
Hiに比べるとかなり音量は取れないのですが、さらなるノイズ減少に加え圧迫感の低下や音質の向上(細やかさなどの表現も含む)もあるし、音場も広がります。ぜひLoモードをお勧めします。
これをするとしないとで相当評価が変わると思われるので、かなりもったいないです。1万円ぐらい損してるかもしれないぐらい。
大体、レビューを1〜2割増しで考えてもいいぐらい変わるかと思います。
おそらく感度の補正(音量)に電力を割かなくなる関係で、計算能力の向上があるのではないかと思いますが、もし知らないのなら非常にもったいないことをしてると思います、本当に。
おそらく旧版を含め、QC2のユーザーさんの中にはまったくLoを使ったことのない方もいらっしゃると思いますので、ぜひお薦めしておきます。
逆に言えば、いつかはポータブルでもこのレベルまで来ると思ってていいという将来の期待も持てますんで、そのあたり楽しみでもあります。


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●QuietComfort2 旧版

今回はQC2のVer.2メインですので、こう、Ver.2との違いとか長所とか短所とか。
ノイズキャンセリングは、無音時に若干ノイズがあります。音楽再生時にはわずかな付帯音となって現れる感じです。もしかすると音が甘くなってるとか思う人がいるかも。耳に対する圧迫感もこちらのが多いのですが、使い込んでるとぱっとわかりにくくなるのは一緒。
その関係か、高音は多少強く、低音膨らみ気味の調整になっていて、主にポップスやロック向けと言えると思います。
音が若干きつめな代わりにエレキギターがしっかり出るので、ロックやエレキギターを絡めたテクノ(激しければ特に)にはこちらのが合うかもしれないと思います。
また、刻みのかっこよさや迫力を求める場合もこちらのがいいと思います。
音の情報量では劣りますが、元気のよさでは確実にこちらのが上かと思います。
確かに比較すれば音質としてはVer2のほうが優れてる、ということにはなりますが、「どっちがいいのか」といわれると、この辺は好みによるところなのでなんとも言えないと思います。
個人的な感想でも、刻みがはっきりしてほしいときやギターでは、旧版のほうが好ましかったと思います。
逆に、満遍なくさまざまなジャンル(クラシックとジャズとポップスとダンス、などばらばらにとか)を聞いたり、おとなしくまったり流したい人には新版のほうが好ましいと思いました。

また、これはVer.2のレビューでも書きましたが、面白いことに、明らかに音量ではこちらのが取れないのに、意外に変わらない音量にしてしまうことがあります。あまり音質を気にしないQC2ユーザーの友人などは、音量の違いを言われるまで気がつきませんでした。
繊細さで劣るところはあるにせよ、それだけはっきりした音が出るところがあるので、この辺はジャンルによる好みがはっきり出るところでしょう。

それと、ノイズキャンセリングですが、電車内の他人の話がわずらわしいと思う人にはこちらのほうがいいかと思います。ただ、それは「アナウンスが聞こえない」ということでもありますので一長一短ではありますが。 難しいですなあ。

向き不向きはあるので、旧版は旧版で、やはりこっちのほうがいいという人もいると思います。
新版がいいという話も見かけることがあるとは思いますが、旧版のいいところにも目を向けてあげると、それはそれでもうひとつ愛着がわくかもしれません。

個人的には、とりあえず、エレキギターは旧版に限ります、うん。
あと、Loモードに関してはVer.2と同じで、やはり使えるときには使わないともったいないですので、ぜひ。


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●TriPort

おそらく、コンセプトとして「気軽で誰にでも楽しめるように」というモデルじゃないかと思われます。

特徴として、独特の「篭りともいうような付帯音」があるヘッドホンです。
この音が「長時間の使用にも耳に疲れない音を出している」ともいえるし、「鮮明ではないので嫌だ」という風にも取れます。
おそらく、音場を広げる役にも立っているのだろと思うので、これは長所であり短所でもあるのでしょう。
なので、この付帯音のような鳴りをどう捉えるかで、個人の評価が決まってくるヘッドホンじゃないかと思います。

装着感は軽く、パッドもやさしいタッチで耳覆い型なので耳が痛いということはないです。この辺はQC2と同じですね。 多少ですが、耳の下部、つまり首の根元が抑えられる形になる(頭が大きいほどこの傾向が強いかもしれない)ので、ヘッドバンドがなじむまでは多少側圧が邪魔だと思うこともあるかもしれない。 でもかなり快適。
個人的な評価としては、非常に疲れない点ではかなりいいが、頭が横に広い人は若干使いづらいかもという感じでしょうか。
まあ、11月の試聴なので夏にどうなるかまでは定かではないのですが、少なくとも変な蒸れや癖などはないし、6時間の連続使用にも疲れないヘッドホンではありました。
また、遮音性もよく周りの音も変な風に気にならないのもいいです。 一言で言うと、通常のポータブル用途で非常に使いやすい音を出すヘッドホンだとは思います。
ただ、後述の電車での弱点がつらいかも。

コードとかは普通の長さなので、胸ポケには長く、カバンにはちょうどいいぐらいの仕様。一応、延長コードもあるので家庭用やPCでも安心。
キャリングポーチとかは無いのと折りたたみ関係の機能は一切無いので、QC2よりもプラ部分がひねりに弱いです。
これもキャリング用に袋とか用意しておくといいかもしれません。もしくはいっそカバンにぶら下げるとかいうのもクールかと。

で、肝心の音のほうですが。
全体傾向として、付帯音の関係で若干濁った感じではあるものの、とにかく嫌味のない(耳に痛くない)音を出すのが特徴で、中低域の広がりが非常にいい効果を出していると思う。
密閉でありながら半密閉形のような広めの音場を持つので、密閉型にしては非常に聞きやすい機種とは思う。
クラシックにはあまり向かないが、ポップスを中心に気軽に長時間聞いて大丈夫、というのが楽しいヘッドホンかと。
主に、中低域を中心に楽しく聞く人が一番楽しめるんじゃないかな。

バランスは低音が多めで膨らみ傾向、耳に痛くないドンシャリ傾向という感じでしょうか。
高音はシャリ気味ではあるのですが、付帯音があるので耳には痛くない音が出ます。ただし、高音は付帯音の関係で綺麗に伸びない、もしくは篭り気味と感じる人もいると思うので、これをOKとするか不満に思うかでかなり人を選ぶ気はするかな。
中音は若干伸びないかと。特にMP3などの圧縮音源における男性ボーカルで篭るように感じるけど、女性ボーカルには影響はあまりなさそう。
低音は多めだし膨らみ気味ですが、変に耳に強かったりとか痛いというのではないので、嫌味があまりない。でもぼややんとした音が嫌だという向きにはあまり向かないかも。膨らんでる割には嫌味が無いという意味では珍しい機種だとは思います。
あと、この辺は全体を通じてだと思うけれど、細やかさ、というか鮮明さにおいてはやや劣る。でも、それが疲れない、音場が広くて半密閉みたい、という長所にもつながっているので、これは向き不向きの問題としか言いようがないと思ってます。

用途としては、ポップス中心で気軽に聞くには便利だけど、箱鳴り(ハウジングを共振させるようにしているヘッドホンに起こる現象)の関係で、電車での音漏れが若干つらいのが難点。
ちょっと離れてしまえば聞こえないので、空いているときにはさほど気にする必要はないです。けれど、ハウジングが共振する関係で、隣に立っている/座っている人には曲まで聞こえる可能性があります。なので、常に音漏れを気にする必要があると思います。
音漏れチェックには、頬に乗っけて音を聞いてみればよくわかるので参考にしてほしいかも。
ただ、その割に遮音性は結構あるので、その辺の折り合いをうまくつけていくといいかと思います。

一番パワーを発揮するのは、多少音が漏れてもOKな街歩きで使うのが一番かな。
あと、PC用途で気軽に楽しむ感じとか。いや、気軽というにはちょっと高いんですが。


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●後記

今回のレビューは、メーカーさんからの依頼ということで、実は結構時間かけてやってみました。
街にわざわざ出かけてうろうろしたり、喫茶店で一人ぽつねんとコーヒー飲みながらCDがんがん入れ変えつつヘッドホンやプレーヤーをとっかえひっかえしたり、わざわざ1時間ぐらい電車に揺られてみたり。
たぶん、傍から見るとかなり変な人だったかと思いますw
ノイズキャンセリングということで、結構いろいろチェックしたのが面白かった感じはあります。特に、電車騒音が別に騒音じゃないやさしい音になるのが面白かったかな。あと、聞かせた知り合いがみんな必要以上の大声になるとか。
個人的にはきゃリングポーチが見た目よりかさばるのが意外でした。
QC2を2つとTriPort持ち歩いたらそれだけでカバンがいっぱいに! いや、まあ本当はヘッドホン3つ持ち歩く時点でかなりいろいろおかしいのですが。

今回いろいろ調べていて一番意外だったのは、Hi/Loの切り替えスイッチの効果とTriPortの音場の広さでしょうか。
特にLoモードのレビューなど見たことが無かったので、持ってる人でLoを使ってない人はかなり損をしているのではと思うほど。(例:自分の友人)
音量が取れる機材で使うときには、ぜひLoに切り替えてあげてください。

何はともあれ、BOSEさんには大変熱心なメールを頂き、お世話になりました。
この場をお借りして御礼申し上げたいと思います、ありがとうございました。


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